
【プロ向け】屋外サイネージの「輝度(cd/m²)」選びで失敗しない!昼間でも見える適正スペックとカンデラ解説
「屋外サイネージを設置したが、昼間だと画面が暗くて全く見えない」
「施主から『もっと明るいと思っていた』とクレームが入ってしまった」
これらは、屋外デジタルサイネージの導入で最も多いトラブルの一つです。原因のほとんどは、「輝度(cd/m²・カンデラ)」のスペック選定ミスにあります。
家庭用のテレビや屋内用モニターをそのまま屋外に持ち出しても、太陽光の明るさには到底敵いません。現場で失敗しないためには、設置環境(日向・日陰・軒下)に合わせた適正な輝度基準を知っておく必要があります。
本記事では、インフラエンジニアの視点から、電気工事業者様が機材選定時に必ず確認すべき**「輝度の適正スペック」**と、カタログ数値の読み方を徹底解説します。
1. 施主クレームNo.1「昼間暗くて見えない」を防ぐには?

なぜ、「見えない」というトラブルが後を絶たないのでしょうか?それは、人間の目が環境の明るさに合わせて瞳孔を調整するため、相対的に画面が暗く感じてしまうからです。
失敗する典型パターン
- 安価な民生用テレビ(4K TVなど)を流用した: 一般的なテレビの輝度は300〜400 cd/m²程度しかありません。
- 「高輝度」という言葉だけを信じた: ネット通販などで「高輝度」と書かれていても、実際は700 cd/m²程度しかない製品も多く流通しています。
2. 現場で確認すべきは「輝度(cd/m²)」だけ!
照明やディスプレイのカタログには、様々な光の単位が並んでいます。しかし、屋外サイネージの「見やすさ」を判断するために必要なのは「輝度」だけです。
現場で役立つ単位の区別
- 輝度(cd/m² または nit):
- 意味: 画面そのものがどれくらい眩しいか(発光の強さ)。
- 重要性: ここだけ見てください。 数値が大きいほど、直射日光に負けずにクッキリ見えます。
- ※1 nit(ニット) = 1 cd/m²(カンデラ毎平方メートル)です。どちらも同じ意味です。
- 照度(lx・ルクス):
- 意味: 場所の明るさ(光が当たっている量)。
- 重要性: 「設置場所の環境」を表します。直射日光下は約100,000ルクスにもなります。
- 光束(lm・ルーメン):
- 意味: 光源から出る光の総量。
- 重要性: プロジェクターや照明器具選びでは重要ですが、サイネージ選びでは無視して構いません。
3. 【設置環境別】サイネージに必要な適正輝度の目安

ここが本記事の核心です。施主様の設置環境に合わせて、以下の基準でスペックを選定してください。
| 設置環境 | 周囲の明るさ(目安) | 必要な輝度スペック | 推奨機器 |
| 完全屋内 | 300〜500 lx | 350〜500 cd/m² | 一般的な液晶テレビ・PCモニター |
| 屋内(窓際・明るいロビー) | 1,000〜2,000 lx | 700〜1,000 cd/m² | 業務用サイネージ(高輝度モデル) |
| 半屋外(軒下・アーケード) | 2,000〜5,000 lx | 1,200〜2,000 cd/m² | 屋外対応サイネージ(エントリーモデル) |
| 完全屋外(直射日光) | 50,000〜100,000 lx | 2,500 cd/m² 以上 | 完全屋外用 超高輝度LEDビジョン/液晶 |
プロの選定基準
- 南向き設置の場合: 太陽が直接画面に当たる時間帯があるなら、最低でも2,500 cd/m²、理想は5,000 cd/m²クラスのLEDビジョンを推奨します。液晶(LCD)では2,500 cd/m²あたりが限界で、真夏の直射日光には勝てない場合があります。
- ガラス越し設置(ウインドウビジョン): ガラスの反射を考慮し、2,500〜3,000 cd/m²が必要です。普通のテレビを窓際に置いても、外からは自分の顔が反射して映るだけで、中身は見えません。
4. 高輝度サイネージの「熱暴走」リスクと電源対策
「明るい」ということは、それだけ「エネルギーを使う」=「熱が出る」ということです。
高輝度モデル(2,500 cd/m²以上)を導入する際、電気工事士として以下の点に注意してください。
① ブラックアウト(熱暴走)対策

液晶パネルは高温になると画面が真っ黒になる「ブラックアウト現象」を起こします(約70℃〜)。
- 対策: 必ず**「ファン冷却システム」または「エアコン内蔵」**の筐体を選んでください。ファンレスの密閉筐体に高輝度モニターを入れるのは自殺行為です。
② ブレーカー容量と回路設計

高輝度モデルは消費電力が大きくなります。
- 事例: 55インチ(2,500 cd/m²)でも、冷却ファンが全開になると300W〜500W消費することがあります。
- 対策: 既設のコンセントからタコ足配線せず、専用回路を引くことを強く推奨します。突入電流も考慮し、余裕を持ったブレーカー選定を行ってください。
まとめ:失敗しない屋外サイネージ選びは「2,500カンデラ」が分かれ道
屋外設置において、スペック不足は致命的です。「予算がないから」といって低輝度モデルを入れると、結局「見えない」と言われて買い直すことになります。
電気工事業者の皆様へ:
施主様への提案時は、以下のフレーズを使ってください。
「屋外でスマホを見る時、画面を一番明るくしないと見えませんよね?看板も同じで、普通のテレビの5倍以上の明るさ(2,500カンデラ)がないと、昼間は真っ暗で何も見えなくなります。」
私たち日本昭光では、日本の真夏の直射日光にも負けない、超高輝度(5,500 cd/m²〜)のLEDビジョン・屋外用液晶サイネージを取り扱っています。
■ 根拠法令・参考資料
A. 光の単位・基準関連
- 一般社団法人 照明学会:照明用語解説
- URL:
https://www.ieij.or.jp/- 環境省:光害対策ガイドライン
- URL:
https://www.env.go.jp/air/life/hikari_g_h18/
